\how to love/
……はて、どうしましょうか?
いつものように放課後図書室にて勉強しようと思い、図書室にやってきたのはいいものの。
いつもの窓際の席が取られて、しかもその席の主は爆睡。
……あの席じゃないと落ち着かないんだけどな…。
ま、その前の席でもいっか…。
寝ている主を起こさぬよう、目の前の席に着き、いつものように教科書を開ける。
もちろん、今日やったところの復習。
「…今日は…っと」
数学から…ですかね。
教科書に目をやろうと顔をあげると、目に飛び込んできたのは、寝ている主。
くせっ毛のような柔らかそうな黒髪。顔…は見えないけれど、手は綺麗で、呼吸のリズムも一定。
…これは熟睡…かな?
やっぱり起こさぬよう、音を立てないようにして、着々とするべきことを終えたのはおよそ1時間後。
「帰ろ…」
席を立ち、図書室を出た。
今日はいつもより少し早めの帰宅。
これからも変わらぬ日々を過ごすんだと、この時は思っていた。
いえ、思っていました……。
「……今時、おさげはないでしょ。あ、メガネないだけはマシかな…?」
小さく笑う声が図書室で微かに聞こえた。