\how to love/
さり気なく伝票を持ち、席を立つ。
お会計の時払おうとしたらその手を止められて、"男の特権"とだけ言われて、結局…ご馳走ななってしまった。
「ありがとうございます…」
「気にしないでよ、無理やりのように連れまわしてんだからさ?」
「でも…」
「ありがとう、でしょ?もうー気にしないでよ、"男の特権"なんだからさ?」
にっと笑う淳哉くんにつられて、笑い返した。
今は、何で淳哉くんは私といるんだろう、とか、どうしてだろう、とかの疑問は、どうでもいいと思えた。
謎だらけ、だけど。
今、目の前にいる淳哉くんは、紛れもなく"淳哉くん"だから。
「あーいー!行くよ」
「は、はいーっ」