\how to love/

「あぁー早川先輩ですか?」


「そう!」


「別に、正論を言ったまでですけど?」


「あんたが言う正論ってのは、全部正しいってワケじゃないんだから!あんたが勝手に正しいって思ってること、勝手に正論なんて言葉で終わらせないでくれる?」


「でもそれは早川先輩が決めることですから。現に正しいと思ったから、今に至ってるんじゃないですか?」


「それはね、愛はあんたらと違って純粋なの!どんな風に言われたか分からないけど、言われた以上、そうするしかないじゃないの!」


「でも…」


「それに第三者が関わっていいようなことじゃないでしょ?これは愛と大川くんの問題でしょ?…好きなら、相手の幸せ、考えてあげてもいいんじゃない?」

優しげに笑う美奈。


「……、


…すいませんでした…、私、謝りたいです…」


「ん、それでこそいい女ってもんよ?」

頭にポンと手を置き、話は終わった。


一部始終を見ていた樹。

「井崎、よく言ったな…」

教室から出てきた美奈。


「あ、いたんだ…」


「何だよ、それ」


「ついついかっとなって、あんな風にでしゃばったけど…、私も第三者だし口だしちゃダメだったんだよ」

「…確かにそうかもしれないけど、早川のためを思う井崎の言葉はあの子にちゃんと伝わったんだよ」


「…そうならいいけど…」


「そうだよ、少なくとも俺にはそう聞こえたからな」


「…樹に届いてもね、」


「な、うっせっ」
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