スノウラビット
1時間くらい歩き回って、グレーのセーターを買った。


先生がよく着てるブランドの所だから、きっと喜んでくれるだろう。


その間も、先生から連絡はない。


携帯の時計を見ると6時半を過ぎている。


やはり、嫌な予感は的中しているのだろうか。



私は、頭の中ではダメだと分かっていても、先生がいつも使っている電車に乗り込んだ。


先生のうちは駅から歩いてすぐだった。


まだ生徒だった時に、他のクラスメートと一回だけ来た事があって、その時に、絶対に忘れまいと、ちゃんと覚えて帰ってきた記憶がある。


その時、奥さんは笑顔で私達を迎えてくれた。


< 11 / 33 >

この作品をシェア

pagetop