スノウラビット
その場で、私は崩れ落ちた。



先生は、もう一度ごめんと言って、電話を切った。



抱きかかえた先生へのプレゼント。


もう、このセーターの行き場はなくなってしまった。



立ち上がり、ゴミ箱を探した。


周りの目なんて気にせずに、私は紙袋に入った先生へのセーターを、思いっきり捨てた。



こわいよ・・・・。



先生が居なかったら、私ダメだよ・・・・・



好きで好きで仕方ないのに・・・・。


なんで先生ともっと前に会えなかったの?


なんでもっと早くに生まれなかったの?


いつの間にか雪が降りしきる中、私はその場から動けないでいた。


どんどん溢れてくる涙は外気に触れたら凍りそうなくらい寒いのに、でも私はずっとその場にしゃがんで泣き続けた。



もう、立ち上がる気力すらなくて。


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