スノウラビット
ウサギみたいな彼女はまた泣き出しそうになっていた。



「不倫・・・だったんだ?」



「そう。最初から終わりが見えてたのにね。まだ大丈夫って気がしてたの。」


無理矢理笑った彼女が愛おしかった。



しばらく、お互いのココアを啜る音だけが部屋に響いた。



「名前・・・」


「ん?」


「名前何て言うの?私は由香里。」


「あぁ。准一」


「じゃあ、准一って呼んでいい?私の事も由香里でいいから。」


ウサギに名前が付いた。

由香里っていうらしい。



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