スノウラビット
イブ、クリスマスと、同じ女と会うことになった。合コンで知り合った女。


誰と一緒に居ても同じだから。




でも、俺はあっさりとその暇つぶしの女を裏切った。



由香里から電話が来たから。



由香里は24日になってすぐ、俺に電話をくれた。



「こんな遅くにごめんね。由香里だけど、分かる?」


「うん。分かるよ。どうした?」


本当は興奮していた俺は、それを隠そうと必死だった。


「今日ね・・・。イブでしょ? 准一は何か予定ある?」


一瞬だけあの女の顔が浮かぶ。
でも、本当に一瞬だけだった。


「いや、何もないけど。」


「本当?じゃぁ、一つお願いがあるんだけど。」


「何?」

俺は期待していた。

由香里が俺の物になるかもしれない。

由香里が次に何を言ってくるのか楽しみだった俺は、携帯を強く握り締めた。

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