スノウラビット
ハナサナイ
それから、俺は由香里に連絡できなかった。


由香里から連絡が来ないのなら、諦めるしかないと思った。



慎吾には悪いけど、合コンもしばらくはパスだった。


一ヶ月があっという間に経ち、俺は真剣に由香里の事を忘れようと努力していた。



でも、クリスマスのあの2日間を思い出すと、苦しくなった。



あの日、泣いていた由香里に声をかけなければ、俺は何にも感じずに今も居れたのに。





知らない番号からの着信があった。


しかも、3回も。


家庭教師のバイトを始めた俺は、生徒の家を出た後、携帯を見て気づいた。


かけなおしてみると、


「准一?」


なつかしい、由香里の声だった。
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