太陽の宝石
ま…まさか陽火まで……。
2対1じゃ勝ち目ねぇよ…。
しかも陽火が光太朗サイドなら尚更だ……。
ふらっ、と陽太朗は陽火から離れ
「……もういい…。こんな家、門限破ってやるっ!」
…陽太朗さん…ウチに門限なんてあった……?(by 陽火&光太朗)
陽火達の疑問と遠い目を無視し、陽太朗は1階まで走った。
その背中越しに
「…陽太朗がちゃんと8時までに帰ってきてくれたら私からご褒美アゲルわよ?」
と、挑発的に陽火が言えば
「…楽しみにしてるっ!」
……乗らないはずがない。
我が兄ながら、なんて単純なのだろう。
「…さてと。私と一緒に冷たいものでもどう?光太朗。」
そう言って極上の笑みを見せる陽火。
…まぁ、わからないでもないが。
「…陽ねぇ。僕、宇治金時が食べたい。」
「いいわよ。作ってきてあげるからここで待ってて。」
陽火は光太朗の頬を愛しげに撫で、艶やかに微笑むと下に降りていった。