記憶の扉
 
気がつくと顔が生ぬるく、べっとりとしている。


目を開けると、

顔がぐしゃりと潰れて目玉が飛び出した血まみれの化け物がいた。



払い除けようにもその化け物はしっかとわたしをつかまえて離さない。

わたしは恐ろしさと苦しさで声を上げて泣くしかなかった。





そして、全てが消えて無くなるまで泣き続けた。



 
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