記憶の扉
 
泣き疲れて眠り、眠り疲れて目が覚めた。

誰もいない。

視線を動かすと、窓際に父の後ろ姿が見えた。

「お父さん・・」

「あぁ、気がついたか」

父は振り向くと、笑顔を見せた。




「悦子、小さい頃の写真が、お母さんの実家に預けてあるんだ。近くにお墓もある。どうだ、行ってみないか」


 
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