記憶の扉
 
中学生になり、わたしの思いは一変する。

その男の子とは家が近くということもあり、小さい頃から仲が良かった。
中学生になっても、たまに家にやって来ていたし、わたしより母の方が彼のことを気に入っていた。

しかし、その日は偶然母が外出していた。
そして、たまたま父が早く帰ってきた。

別にやましいことをしていたわけじゃない。

それなのに・・。


いっそ、怒鳴り散らしてくれてたらと思う。

しかし、父はそういう性格じゃなかった。
誤解を招く行為という表現をした。

私ではなく、彼を責めたてた。


今になれば父の思いもわからなくはない。

でも、あれから3年間、父とは口をきかなかった。






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