たった一つの想い

『もしもしぢゃねーだろーが』

ひどい剣幕で低く恐ろしい声だった

『何が?』

『今日ゎ何の日だよ』

『しらねーよ』

『樹莉…てめーふざけんなよ?』

機嫌が悪いのゎ嫌でも伝わってくる
でもこっちだって苛立っている
今なら口喧嘩で負ける気しなかった

『てゆか、何なの?勝手に人んちの前まで来て』

『はぁ?』

『迷惑だってゆってんの』

『お前に話ある、支度して出てこい』

『いやだ』

『嫌ぢゃねんだよ、早くしろ』

『いやだ』

強気であたしがそれを拒むと

『まぢで勘弁してくれよ…話あるんだ』

今までの怒鳴り声とゎ打って変わって細く弱い声で言った

そんなしんちゃんの声を聞いて悔しくも胸がキューっと締め付けられた
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