恋の魔法のかけ方
放課後
「今日もカンナ、晃さんの所に行くよね!」
もうすぐ授業が終ろうかとしていた時、横の席から小声で聞いてきた。
私は、『もちろん!』とばかりに、笑顔で声の主に答えた。
あ~、早く終らないかな・・・。
私は、口を尖らせ眉の間にシワをよせた。
傍から見るとヘン顔だったのかな!?
『プフゥッ』
先ほど声をかけてきた親友の明日香が私の顔を見たのだろう。
勢いよく吹き出した。
みんなの視線が明日香に集中!!
それと同時に、教壇からの声。
「清水・・。私の授業がそんなに面白いか!?
なら、前に来て次の問題をやってみろ。」
数学の正木先生が、真顔で言った。
正木先生は、若いのにやたらと頭の堅い教師。
『男性教師は、若けりゃそれなりにモテる!!』という女子高の神話を
完璧に裏切ってた。
嫌そうな顔をしながら明日香は、席を立ち黒板へと向かった。
ごめん~明日香・・・。