恋の魔法のかけ方
私は、何も言えなかった。


だって、晃さんの声なのに、目の前に居る人は、違う人物。


おもいっきり尻餅を付いて、変な体制で私は、その人物を見上げてて・・・無言の私。


「どうした!?頭でも打ったの?」


その人物は、身をかがめ私に微笑みかけた。


声は、晃さんそっくりなのに・・・違う人みたい。


「ずいぶん待った?ココの裏口、一様開けておいたんだけど・・・。」


「晃さん・・・だよね。」


私は、思わず確認した。


首を傾げるかのような仕草を見せ、その人物は、なおも微笑んでいた。


「人は、服装でこうも変わるものかな?!なんて、思った?」


私の疑問を代弁するかのように答えた。


『ウン。コレは、晃さんだ!!』

優しい声と穏やかな笑み。

スーツ姿でメガネをかけてる、いつもの晃さんのイメージとは、違うけどそこだけは、変わらなかった。


「さっ!!こうしてても始まらない。おいで!!」

そう言って晃さんは、私に手を差し出し力強く起こしてくれた。










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