恋の魔法のかけ方

その言葉に私は、妙に反応していた。

だって今まで、男の人から言われた事ないんだもん。

晃さんは、私の目の前に大きな鏡を置いてまじまじと私の顔を見つめた。

「うん!コレで行こう!!」

自分で納得したように告げて、私の前髪をクリップで止める。

「自分で、化粧した事って?」

鏡越しに私に言う。

子供の頃、お母さんを真似て化粧して・・・ひどく怒られたっけ。

私は、そんな事を思い出しながら、首を横に振った。

「でも、肌の手入れとかは・・・・?」

「うぅ~ん。顔洗った後に付ける化粧水程度かな?」

「そう・・・か。」


そういい残して背を向けた。

何?何??私、気分損ねるような変な事、言ったの!?



そうだよね。今時、その程度で済ましちゃう子なんて、私ぐらいだよね・・・。

自己嫌悪に、襲われてたら晃さんの背中から鼻歌が聞こえた。

シルバーの大きなボックスの中をカチャカチャ鳴らしながら何かを探している風。



・・・・?。晃さん、楽しいの!?

「ハイ!じゃあコレ付けて。」

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