恋の魔法のかけ方
晃さんから手渡され、顔に付ける。
ほのかに温かい私の頬が、ひんやりとした。
真剣なまなざしで晃さんは、私の肌色をチェックして・・・。
『晃さんってこんなに大きかったんだ・・・』
晃さんに横に立たれ、薄暗くなった鏡に移る私の顔でそう思った。
「自分でも、出来るようにちゃんと見ててね。」
そう言ってブラシを手際よく私の顔に当てた。
「すごい・・・」
顔全体に撫でられただけで私の顔は、別人だった。
「まあね~。」
自慢げに晃さんは、言って見せた。
『もしかしてプロ』
そんな事を思いながらも、見る見る私の顔は、変わっていく。
「目。閉じてみて」
そう言われるがまま、目を閉じた私。
そして・・・・。
「出来上がり!!」
嬉しそうな晃さんの声が、私の耳元で聞こえた。
瞳を開けると目の前にある鏡に映る私の顔は・・・・・別人だった。