恋の魔法のかけ方

着替えを済ませ、髪を整えられ。


      「これで完璧!!」

太鼓判を押すように告げられた。

お決まりの二つ結びの髪も、ゆるいウエーブに巻きなおされて収まり良く整ってた。

今までこの髪で、格闘していた事が嘘みたい。

自慢げにそう言った晃さんの顔・・・子供っぽくて可愛かった。

いつもは、ワイワイ騒いでる私達に嫌そうな顔も見せずにコーヒーを入れてくれて、私達の会話を微笑んで落ち着いた感じの晃さん。


本当の晃さんは、どっちなんだろう?

そうだ!!

私、こんなにお世話になっちゃってるのに・・・晃さんの事って知らない・・・カモ?!。


そもそも晃さんの苗字って・・・何?

気が付いたら、周りの子が『晃さん』って呼ぶから、自然とそう呼んでたけど・・・。

それに、晃さんってイクツなの?

スーツ着てるとすごく大人に見えてたけど・・・。


   『晃さんの事・・・知りたい』


私の心が呟いた。





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