恋の魔法のかけ方

冬の夕暮れは、早かった。

日差しが傾くと空気まで冷たくなっていた。

ひんやりとした空気が顔を撫でて、私は、我に返った。

『そう!ライブ、始まっちゃう!!』



私がライブハウスに前に付くとすでに扉は、開いていて長髪のスタッフらしき人が立っていた。


私は、チケットを手渡すと無愛想に、数枚のパンフを代わりに渡される。

「ああ・・・。」

バックを片手に持った状態で、それを受け取ろうとモタモタしてるとスタッフの人と目が合った。


いかにも、『バンドやってます』って感じの服装に髪型。

その人は、私の顔を見ると細い目を少し大きくした。

そして、無愛想な顔つきを変えてニコリと私に渡って言った。

「足元、暗いから、気を付けてネ。」

何?私って、そんなに危なっかしく見えたのかな?



始めてきたライブハウス。

暗い室内にスポットライトだけが、ステージに当てられてた。

すでにかなりの数のお客さんが、入っていて異様な空気が漂っていた。

さっきコンビニで見かけた女の子達も、一番前に陣取ってる。

私は、雰囲気になじめなくて後ろの方に立った。






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