恋の魔法のかけ方

コンビにまで、2人で歩いた。

近くのはずなのに、すごく遠く感じた。

ずっと握りぱなしの手から、私のドキドキが伝わっちゃうんじゃない?って心配してた。


当然のように、手を繋がれて・・・。


ねえ・・・今井君。

いつもこんな風に女の子と接するの?



「何、飲む?」

「う~ん?」

コンビニの中。

冷えたドリンクコーナーの前で、私がこんな言葉を言うと今井君は、繋ぎっぱなしの手を見た。


「こんなに冷たいから、温かいのが良いよね。」

そう言うと、自分用に炭酸飲料を手にしていた。

私は、レジ近くの『あったか~い』コーヒー。

「見るからに、甘そうだね。」

今井君は、私の手にしたコーヒーの絵柄がウシさんマークが見えたのか、そう言うと笑って言った。

「うん。苦いのは、苦手だから。」

笑う今井君につられて、私も笑ってた。



ねえ・・・今井君。

こんなちょっとした事を、いつも見てるの?






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