恋の魔法のかけ方
そんな店の扉が開く。
「だから~もうすごく良いんだ!!」
「分かったって~それは、今日何度も聞いた!!」
少し苛立ったその返答。
店にいた私達は、その人物が誰なのか、すぐに分かった。
晃さんは、コーヒーを入れに言ったのだろう。店の奥のキッチンに向かった。
「もう~いい加減にしろよ!」
「あら!?珍しく仲間割れ?」
「明日香!聞いてくれよ。今井のヤツが朝から、うるさくって―――」
店の入ってきた今井君たちは、席に腰を下ろした。
「だってさ~」
今井君が、そう言いかけて言葉が停まった。
パッと今井君と目が合って・・・・。
「ワンコ!!」
今井君は、慌てて私の所に駆け寄ってきた。
目を輝かせながら私の前に立つと両手をググッと掴んだ。
そして・・・。