恋の魔法のかけ方
「晃さん!!何てこと言うんですか!!!」
私は、晃さんの後を追っていた。
真っ赤になった私の顔。
「だって、カンナちゃん。今井君の事好きなんだよね~?」
空いたカップにコーヒーを注ぎながら晃さんは、後ろに立つ私に告げる。
「それはそうなんですけど・・・でも!!」
「なら!どうして、女の子紹介するなんて事言っちゃうのかな!?」
「私は、そんな事、言ってないんですけど・・・。つい成り行きで・・・」
私自身、ホントは、女の子なんて紹介したくないし・・・。そんな当てもない。
晃さんは、タバコに火をつけると私のほうに振り返った。
「俺に、いい考えがあるんだけど・・・カンナちゃん乗ってみる気無い?」
晃さんは、優しい笑みを浮かべて私に言った。
入れたてのコーヒーの匂いとタバコの匂いが、狭いキッチンに漂っていた。