サンタクロースに恋をする
雨が降ってきて、全身を濡らす。


このまま溶けてしまえばいいのに。


本気でそう思った。


龍の部屋に入る頃には激しい頭痛と寒気がして。


頭の中は『ごめんなさい』がぐるぐる回る。


『龍...ごめんなさい。』


あたしは部屋の片隅で虫みたいに丸まって目を閉じた。


なぜかゴールデンレトリバーの笑ったような顔が浮かんで。


何も分からなくなった。


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