サンタクロースに恋をする
結局退院するまでロイを避けてしまって会えずじまいだった。


今日は龍にアパートの鍵を返す為に駅前で待ち合わせしていた。


龍は手渡しじゃなくてもいいって言ってたけどやっぱり鍵だし、きちんと助けてくれたお礼を言いたかった。


『よお。』


クラウンが滑るように止まり龍が運転席から片手を上げた。


『こっ...こんにちは。』


なんて言っていいか分からず挨拶すると。


『くくっ...相変わらずだな? 乗れよ。』


龍が笑った。
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