サンタクロースに恋をする
不意に涙が滲んであたしは下を向いた。


『僕は嘘をつきました。』

ロイがぽつりと呟いた。


『咲さんに会った時から薄々男の人の影は感じていたんです。あなたの苦悩も。』


『....。』


『でも、物わかりの良い振りをして何もしなかった。』


『ロイ...。』


『なぜだかわかりますか? 』


喉の奥から絞りだすようにロイは続けた。


< 120 / 152 >

この作品をシェア

pagetop