サンタクロースに恋をする
『すみません。』


(あーあ。厄介なのにぶつかっちゃったな。)


見るからに柄の悪そうな男が男の子の襟元を掴む。


女の子みたいに細いその子は簡単に足が宙に浮いて苦しそうに咳こんだ。


こんなに人が居るのに誰も助けようとしない。


薄情だ...なんて思わない。


今の世の中、簡単に刺されたり殺されたりする。


みんな家族や恋人が居るはず。


もちろん自分が傷つきたくない...ってのが一番だろうけど。

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