サンタクロースに恋をする
『あっ...あのっ! 』


『何? 』


なるべく冷たく聞こえるようにして振り向いた。


『名前...教えて下さい。』


顔を少し赤らめてロイが言った。


『咲。』


『咲さん...また会えますか? 』


ロイの唇からあたしの名前が紡ぎ出されるとなんだか特別な名前みたい。


顔を見詰める。


大きな瞳。


優しい笑顔。


長い睫毛。


華奢な指。


そしてなにより。

< 23 / 152 >

この作品をシェア

pagetop