サンタクロースに恋をする
咲が去った直後。


ぱぁんっ!


ルイが龍を思い切りひっぱたいた。


龍は口の端を綺麗に吊り上げ、笑う。


『あたしを利用したわね? 物じゃないのよ? 』


眼鏡を掛けると龍は黙ってルイに背を向けた。


『龍っ! あなたそんなに.....あの子が。』


『黙れ。』


『....くっ...私の...気持ちは...どうでもいいの? 』


そう問い掛けるルイを無視して龍は朝焼けの街を静かに去っていった。


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