サンタクロースに恋をする
『う...うるさい。』


あまりに的確に言うから思わず声が震えた。


『好きにすればいい...でも本当のお前を分かってやれるのは俺だけだ。わかるな? 咲? 』


耳許で龍が甘い声で囁く。

(止めて...。)


『いつか飽きられる...そう思いながらその男と会えばいい。』


(あたしを縛らないで。)


『命令だ...今日その男と会え。そして寝てみろ。』

(好きでもないくせに。)


『くくっ...。』


龍が低く喉を鳴らして笑った。
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