サンタクロースに恋をする
(言えない...嫌われたくない。)


『僕は咲さんが好きです。明日も会えますか? 』


そう言って優しく笑うロイ。


少しだけ頷くとあたしは公園から逃げ出した。


『ロイ、一目惚れか? 』


いつの間にかナイトが側に来て言った。


『咲はいい子だ。』


ノエルがぽつりと呟いた。

『ええ、初めて会った時から。僕は咲さんに惹かれました。なぜでしょうか? 』

『恋ってそんなもんだろ?』


『お前初恋か? 』


口々に言うナイトとノエルにロイは苦笑した。


咲の怯えたような瞳。


それがロイには気になって仕方がなかった。


(咲さん...あなたは何を抱えているのですか? )


ロイは咲と会う時だけ外しているニット帽を深く被り直した。
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