サンタクロースに恋をする
アパートの鍵はいつも開いているからチャイムを二回鳴らして返事も聞かずに扉をあける。


『来たか。』


スエットに上半身裸の龍。

黒髪にメタルフレームの眼鏡。


鋭い瞳。


薄情そうな薄い唇。


『お前は相変わらずだな? 咲。』


口の端で馬鹿にしたように龍が笑った。

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