サンタクロースに恋をする
ルイさんがポツリと呟いた。


『龍はね...いつも笑ってるの。』


(笑ってる? 龍が? )


『でもそれは偽りの笑い。仮面と一緒ね...あたしと龍は両親も引き取ってくれる人も居なくて施設で育ったのよ。』


(龍とルイさんが...。)


『大分前に龍は珍しく酔っぱらってね..俺は欲しい物は今まで何でも我慢してきた。でももう我慢はしない...って。』


『龍が...。』


鋭い刃物で刺されたように胸が傷んだ。


『眼鏡も絶対人前では外さないの。眼悪くないのに....女を抱く時も。』


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