サンタクロースに恋をする
『いいから帰れ。』


そう言い捨てると龍は店の中に入って行った。


『ごめんね咲ちゃん...。』


ルイさんの言葉に黙って首を振るとあたしは歩き出した。


(ルイさんの言う通りだ......あたしは龍を利用してた。)


脅されたって本当にロイの事好きなら龍の言いなりになんてならなかったはず。

心の何処かで、ロイに飽きられたら龍の元に帰れはいい...って思ってたかも。


龍は分かってたんだ。


あたしの弱さ。


だからあんな事。


『一番自分の事しか考えない馬鹿はあたしだ。』

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