輝かしい変貌
「実はな…もう一人の仲間が分かった」
「そうだったんですか!それなら早く言って下さいよ!で、誰なんですか?」
「待って、今日一日私が見るに高橋さん元気無かったですよね?そんなに微妙な仲間なんですか?」
宮川くんの推察力はなかなかの様だ。
「ああ…それが…オレの母親だったんだ」
「…」
一瞬時が止まったかの様に見えた。三人は黙り込み、とりあえずビールを体内に取り入れる。
瞬間、我慢出来なくなったのか、石川くんは吹き出した。
「ハハハハハ! お母さんって…間違いじゃないんですか?」
高橋さんはムッとした顔で答える。
「確かだよ。同じ夢を見てるらしい。オレだって笑いたい気分だよ」
「あっ、そうすか…すいません」
「とりあえず…」
宮川くんが口を開く。
「高橋さん的にどうなんですか?お母さんを仲間に入れて戦うっていうのは。激しい戦いが予想されますよ。いいんですか?」
「仕方ないだろ。もうやけくそだ。」
高橋さんは更にビールを煽る。
「なら決まりね。今夜帰ったら高橋さんはお母さんに事情を説明してください。出来れば明日、四人をこの居酒屋に集めて今後のことを検討しましょう。では私はこれで」
宮川くんは上着を掴むと席を立った。
「あ、ぢゃあ僕もこれで失礼します」
石川くんもそれに習う。高橋さんは二人に軽く手を挙げると、一人酒を飲み続けた。
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