輝かしい変貌

次の日の夜。四人は例の居酒屋にいた。
「いつも義男がお世話になっております」
「いえいえ、こちらこそ高橋さんにはいつも迷惑かけちゃって」
高橋さんはこっぱずかしい気分だ。穴があったら入りたいとはまさにこのことだろう。
「それで、お母様も夢を見られているそうで？」
宮川くんが聞く。
「そうよ。私もどうやらあなた達と同胞の様ね」
「でも本当に大丈夫なんですか？ただの夢なんかでこんな事しちゃって…」
石川くんは随分弱気になっている。
「何を言ってるんだ。既に歯車は回り出している。やるしかないんだ」
高橋さんは顔に似合わないコメントを吐き出した。
「そうね、差し当たって今後はどうします？」
「…」
仲間は確かに揃った。だが肝心のこれからの行動にしては何一つ分からない。国を変えると言ってもまず何をしたらいいかなど、全く考えてなかったのである。
「やっぱり国王宮殿を攻撃するとか？」
とりあえず石川くんがベタな発案をした。
「そんな安易なやり方でいいのかしら？」
宮川くんもお手上げだ。
「みんな、若いからってお酒はほどほどにね」
茂子はまず話にすら入っていない。
「どうせ今夜あのじいさんが指令を出すさ。それに従えばいいよ」
高橋さんは考えても無駄といった感じ。
「そうですね、そうしましょう」
一同はその意見に賛同した。