世にもつまらぬ恋愛話

チェスゲームを始めて数分が経過した。

黒が幹也、白が私・香苗でゲームをしている。

…ちなみに不覚ながら私が押されている。

「香苗お嬢様、そろそろリザインもお考えになった方がよろしいのでは?」
「う、五月蝿い」

ちなみにリザインとはチェス用語で「投了」を意味する

つまり負けの自己申告

「大丈夫だって。あんま濃厚なのはしないから」
「…そういう問題じゃないんだけどね」
「じゃあどういう問題なんだよ?」

私は白のルークに手を掛けた

「ただの負けず嫌い」
「なんだよそれ…」
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