世にもつまらぬ恋愛話
「…」
「勝ったぜっ!」
「ま、負けた…。この私が、まま負けたなんて…」

不覚…この春夏秋冬香苗が幹也に負けるなんて…!

「んじゃあ、約束通り、キスを頂きますよ?お嬢様」
「ん、や、約束は約束よね…。仕方ない」

私は目をつむって意を決する事にした。

「…あの、香苗さん。別に唇にするた一言も言ってねぇぜ」
「へ?」

私が目を開けると、幹也は私の右手を取って、手の甲にキスをした。

「へっへ~。香苗は早とちりだなぁ(笑)」
「なっななな…」

確かに私の早とちりとは思うが…。
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