世にもつまらぬ恋愛話
「誤解するような事言うんじゃないわよ、幹也っ!」
「うおっ、ちょ、香苗、待て待てっだあああぁぁ!」
次の瞬間、ズンッと重く鈍い音が喫茶店内に広がった
私が幹也を背負い投げした音なんだけれど。
店内には迷惑がるような客もいなければ、この光景を楽しそうに見ているマスターが一人いるだけだ。
「ってて…結局暴力に訴えるのは実際どうなんスかね、香苗さん。」
そして、そう文句を言っている幹也だがしっかりと受け身は取っているのである。
「…もういいわ。マスター、代金置いとくから!」
私はポケットから110円出すと、机の上に置いて早々に喫茶店を後にした。