世にもつまらぬ恋愛話

「…人の往来がある路上のど真ん中でその発言は恥ずかしいと思うんだけど」
「あ」

辺りを見ると、何人かがこちらを見ている。

恋人云々以前に、普通に恥ずかしい。

しかし、それは幹也の方が上だったらしい。

私の手を掴むと、突然走り出した。

「行くぞ香苗」
「え、ちょっと…!」

私の意志確認は完全に無視して、超スピードで走り出した。

…まぁ、たまにある事だからいいんだけどね。
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