世にもつまらぬ恋愛話
「こういう時は、どっか連れて行ってやるのが普通だと思うんだけど」
「連れて…?」
つまりデートに誘えって事か?
…成程、その手があったか。
ってか「付き合ってくれ」って言う時もそうすりゃよかった…!!
「なぁ寿。女の子って何処連れてったら喜ぶと思う?」
「"一般論"で言うと、遊園地とか映画館とか、水族館でも喜ぶもんだが…」
「果たしてあの香苗お嬢に通じるかどうかが疑問なんだ」
「そうなんだよなぁ…」
寿も香苗とは知り合って長いので、彼女がどんな性格だか知っている。
…だからこそ。
そう、だからこそ彼女が喜ぶものがどんなものなのかは知らない。
怒らせる方法はゴマンと知ってるんだけどな。
「…仕方ない。最後の手段を使え、幹也」
「そうだな、こうなれば最後の手段を使うしかないな」
俺と寿は互いに頷きあって了解し合う。
そう、こうなればこれしか方法は無いんだ…。