世にもつまらぬ恋愛話
「あ、覚えてないか。私、春日野 愛(かすがの まな)。中学校の時クラス一緒で卒業式の実行委員一緒にした」
「あ、あ~!!春日野か!久しぶりじゃねぇの!ってかスゲーイメチェンしたな!」
俺の想像の中にいる春日野愛とは、図書館の隅でジッと本を呼んでいるタイプの人間だった。
つまりこの人間往来の中で俺なんかに話しかけるような積極性がある子だとは思えない。
…まぁ、あれから2年も経てば変わるか。
「で、神道君はどうしたの?デート?」
「そ。デートの待ち合わせ。…いやぁ、流石に30分は早すぎたかと思いましてね」
「…相手は春夏秋冬さん?」
「たはは、お恥ずかしながら」
俺が照れる仕草をしていると
「ふぅん」
と冷たく返事を返された。
ま、まぁいいけど。