世にもつまらぬ恋愛話

「でも春夏秋冬さんって相変わらずじゃない？」
「あ～全く。コイバナって言葉も知らないと思うぜ？」
「…折角神道君みたいな人が告白してくれてるのに…勿体無い」

あれ、春日野に俺が告ったって言ったか？

それともそれほどまでに噂というものは恐ろしいものなのか？

「春日野、その情報源は…」
「だって春夏秋冬さんが『付き合ってください』なんて言うの、天地がひっくり返ってもあり得ないでしょ？」
「ん、まぁ確かに」

想像の範囲内、という訳か。成程成程。

「春日野は付き合ったりとかしてる男子はいないのか？」

俺が聞くと、春日野は真剣な表情で俺を見た。

「あ、悪い、失言だったか？」
「ううん。…何度か告白はされたけど、全部断ってる」
「あ、そうか。春日野の高校は男女共学か」
「うん」

俺や香苗みたいに男子高校・女子高校などよりは男女共学高校の方がそういう話は多いと思う。

ま、だから男女共学は行きたくないんだが。