パノと魔法使いとその仲間
住人が出て行った、しんと静まり返った一室。ガランとした部屋の隅には、大きなゴミ袋がひとつ置いてある。

その後ろに隠れるようにして、箱がひとつあった。


そう、パノたちが入った箱だ。



カーテンが取り払われた窓からは眩しい光が射し込んで、フローリングの床に四角のスポットライトを落としている。

そこに大家が現れた。

「さて、寂しくなったねえ……」

アヤと仲の良かった大家は、ため息まじりで部屋を見渡す。

そして、ゴミの袋を目にしてそれを取り上げた。

『カタン』


音を立てて目の前に転がった箱。

不思議そうな顔をしながら、大家はその箱に手を伸ばした。
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