パノと魔法使いとその仲間
「……これから道が拓けてきますが、決しておごることなく努力していけば実るでしょう」
「そうですか!」
小さな机に向かって頭を下げていた男は小躍りするように嬉しさを表現していた。その向かいには黒いとんがり帽子を被ったふくよかな女性が座っていた。
テーブルには奇怪な絵が描かれたカードが数枚並んでいる。
「じゃあこれから彼女は出来ますか?」
「えっと……そちらはまた別料金になりますが……」
控えめに言った女性の言葉だったが、男はそれを聞くと乗り出していた身を遠ざけた。
「なんだよ、ケチなおばさんだなあ」
「いえ、それはまたもう一度占うことになりますから」
「いいよいいよ、もう。どうせ次は変なツボとか出して売りつけてくるんだろ?」
「そんなことはしません!」
女性が強い口調でそう言うと、足元に控えていた黒猫がぽんとテーブルに身を躍らせた。
「こら、マイケル」
それをとがめる女性の声をも無視した黒猫は毛を逆立てて男を威嚇する。
「な、なんだよ」
「やめなさいマイケル!」
漆黒のその体を抱きかかえようと伸ばした手をすり抜けて、一閃、黒猫は男に飛び掛った。
「うわあ!」
「フギャー!」
その惨状に女性は眉をしかめ、片手を顔に押し当てると首を垂れる。
「そうですか!」
小さな机に向かって頭を下げていた男は小躍りするように嬉しさを表現していた。その向かいには黒いとんがり帽子を被ったふくよかな女性が座っていた。
テーブルには奇怪な絵が描かれたカードが数枚並んでいる。
「じゃあこれから彼女は出来ますか?」
「えっと……そちらはまた別料金になりますが……」
控えめに言った女性の言葉だったが、男はそれを聞くと乗り出していた身を遠ざけた。
「なんだよ、ケチなおばさんだなあ」
「いえ、それはまたもう一度占うことになりますから」
「いいよいいよ、もう。どうせ次は変なツボとか出して売りつけてくるんだろ?」
「そんなことはしません!」
女性が強い口調でそう言うと、足元に控えていた黒猫がぽんとテーブルに身を躍らせた。
「こら、マイケル」
それをとがめる女性の声をも無視した黒猫は毛を逆立てて男を威嚇する。
「な、なんだよ」
「やめなさいマイケル!」
漆黒のその体を抱きかかえようと伸ばした手をすり抜けて、一閃、黒猫は男に飛び掛った。
「うわあ!」
「フギャー!」
その惨状に女性は眉をしかめ、片手を顔に押し当てると首を垂れる。