パノと魔法使いとその仲間
パノは嬉しくてたまらない。

小さな体でひょこんと立つと、右足をひょいと上げ、そして左足をまた上げた。

「そうだ、ライスくんもいるの」

「ああ、お馬さんなら……ほら」

クロが顎で示した方向を見ると、草むらにうずくまるライスシャワーの姿が見えた。

「ライスくん♪」

「ん~」

草を口にくわえたまま、のっそりとライスシャワーが振り返る。

「いっぺん食べてみたかったんだの~」

頭に枯れ草をいっぱいつけたまま草を食んでいる。ライスシャワーは早くに目覚め、パノより先に魔法をかけてもらっていた。

「ライスく~ん♪」

ずっと一緒にいながら意思の疎通のかなわなかった親友と、初めて言葉をかわせる喜びにパノは思わず駆け寄っていた。

「嬉しいね」

「おいしいの~」

「やっと話せるんだよ」

「やっと食べられるの~」

「……」

どうやらライスシャワーにはそれほど感慨がなかったようだ。

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