パノと魔法使いとその仲間
それからしばらくはかけ声と物音がにぎやかに聞こえていたが、そのうちにだんだん静かになってくる。

「ゴミはこっちにまとめとくか」

物音があまりしなくなった頃、引っ越し屋の声が聞こえてきた。ビニール袋のこすれる音がすると、パノたちが入った箱がぐらりと揺れる。

「そっすね。じゃあ行きましょうか」

「米子まで結構かかるからな。さっさと行かんとな」

引っ越し屋たちの声が遠ざかると、ドアを閉める音が響いた。


そうして、またパノたちには何も聞こえなくなった。


ガランとした部屋に小さなダンボール箱がゴミと一緒に置いてある。

その箱の中で、パノはだんだんとつのる不安にやきもきしていた。
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