雪だるま



肩を落とした私の元に
隣の席の遅れてきた男子一名。


そいつは雪まみれで
小刻みに震えていた。


雪を振り払うと
金髪の髪、ピアス…


うわ、こいつ隣かよ…。



そいつは私の目線に気付き
私の顔をじっと見つめてきた。


私が下をむいても
下から除いてきた。


な何!? こいつ!




「な何ですか…?」

震える声で恐る恐る聞いてみる。


「なーに震えてんの?
なんか拭くもん貸してくんね?」

声は思ったより
低くて軽い口調だった。


「はい…どうぞ。」


タオルを差し出すと
そいつはタオルを素早く取り
髪の毛を拭きはじめた。


ああ…
新しいタオルだったのにな。

後悔が私の頭で
いっぱいになった。



「ありがとっ。
礼するからメアド教えて?」


かっ軽いっっ!
何こいつ!


「あのー。」


優「ああ。俺は優斗(ゆうと)。
君はあ・い・か・わ 相川さんね!
携帯貸して♪」

それを言う間に
携帯は奪われ
もう優斗の手の中に…



優「赤外線~。よしっ」

赤外線送信であっという間に
メアドを交換してしまった。

こんなやつなんかと
交換する予定じゃなかったのに。


優「はいっ 返す。」

やっと戻ってきた。携帯…

優斗の手が冷たくて
携帯も冷たくなっていた。



優「じゃあ今日メールすんね♪よろしく!」


「よろしく…」

私は小さい声で呟くように言った。








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