カクテル 〜カシス〜
「…あっはい。2人です。」



店員の女の子は、まだ入ったばかりなのか私たちのことを知らずに席に案内してくれた。




カウンターでカクテルを作っていた敦さんが気づき、作り終えてすぐにきてくれた。



「いらっしゃい!この前は大丈夫だった?」



カノンの頭にポンと軽く叩きながら聞いてきた。




カノンは返事くれなかったことなど、すっかり忘れて嬉しそうにしていた。




「ちょっと頭痛かったけど大丈夫だったよ♪」



「なら、良かった。ゆっくりしていきな!」




と言ってまたすぐにどこかに行ってしまった。



カノンは私のことなど無視してひたすら敦さんのあとを目で追っていた。
< 24 / 118 >

この作品をシェア

pagetop