寮生活は秘密がいっぱい☆

一方、その頃寮は…。


「ただいまー。」

寮生達が帰宅していた。



「あれ？未有は？」


一番最初にあたしがいないことに気付いたのは、香希だった。



「あー、なんかね、聖子ちゃんの家に泊まるみたいよ。今日は未有がいなかったから久々に一人で夕飯作ったら疲れちゃった。私も年なのかしらねー。」


と、ママは気丈に笑った。


食卓に揃い、あたし抜きでの夕飯が始まった。


拓海は香希をチラチラ見ている。

香希は気付いていなかったが、勘の鋭い雄司は違和感を感じていた。



夕飯が終わり、片付けを始めたママ。


「俺手伝うよ。」

そう言って雄司は腕まくりをしながら台所に向かった。



「いいよ雄司。茶碗洗うだけだし私するから。」

と、ママは言ったけど雄司は、


「たまにはさせてよ。お母さんと未有には世話になってるからさ。」


のほほんとした空気の台所の傍ら、玄関では壮絶な幕開けが始まろうとしていた。