寮生活は秘密がいっぱい☆
外に出たあたしと香希。
しばらく無言だったけど、周りに誰もいなくなったのを確認して、話を切り出した。


「香希…まともに今まで話せなくてごめん。」


数秒沈黙したあと、香希は口を開いた。


「…お前さ、拓海とキスしたんだろ?」


「…うん。ごめんなさい…。けど、あたしは…」

「何で電話出なかったんだよ…。」


香希はやはり怒っていた。


「…ごめん。香希を裏切ったみたいで…電話に出れなかった…。」


あたしは香希から目を反らした。



「…でも、俺は…あの時お前の声が聞きたかったよ。」


怒りの中に見える淋しさ。

香希を怒らせたのではなく、傷つけていたのだと今まで気付かなかった。
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